美的社長「家電業界、今後3年間は冬の時代」

2022/05/21 16:19

中国の家電大手・美的グループの社長兼総裁の方洪波氏は、5月20日午後に本社ビル5階で行われた2021年度の株主総会で、「社員を50%削減する、というのはデマだ。ただし、今後の見通しを元に若干の縮小が必要と見ている。To Cについては、家電の主要品目は残し、ベビー用品やペット用品などを改善する。To Bについては中心業務である『大物四種・小物四種』はそのまま、それ以外はカットする。主力外の業務は縮小や人員整理をするが、それ以外の社員は動かさない」と述べた。

社員削減はデマ、と言った方社長であるが、現在かなりの課題を抱えている様子がうかがえる。とりわけ不動産市場の低迷により、家電業界全体が打撃を受けている。

方社長は、To Cについて方向転換し、海外市場の開拓に取り組むほか、To Bへの転換を続けていくと表明した。To Bではロボット・工業自動化、ビルテクノロジー、新エネ車部品、蓄電といった主力四分野について、苦しむ中でも一段と力を入れていくとのことである。

また方社長は自動車関連について、燃料から電気化というまれに見る変革の時期であると言った。これは好機であり、コンプレッサーなども含め家電とほぼ同じ熱管理システム、モーターなどと結びついたパワートレイン、自動運転および走行アシストという三方面に力を入れるという。

中国の家電業界は今後3年間冬の時代が続く、との予想については、「あくまでも自社での判断である。市場競争で成長した美的は好況や低迷期といったうねりを随分経験しており、危機感や緊迫感があり、外部の反応に敏感である。外的な環境とは様々で、不動産で言うと、家電の購入と関わりがあり、おおむね8-12か月後に家電に影響してくる。今年前半は、不動産が落ちる一方、それ以外にもちろんコロナなどの要因もある」と語った。

(中国経済新聞)