中国では、1か月に及ぶ上海のロックダウンで自動車部品のサプライチェーンが崩れ、稼働停止により新車の納入に支障が出ているメーカーもある。
4月に一時停産した電気自動車(EV)メーカーの「蔚来汽車」は、コロナの影響で吉林省、上海、江蘇省などの仕入先がストップした、と発表していた。
小鵬汽車の何小鵬社長は4月、上海の供給業者が稼働を再開しなければ、5月には自動車業界全体にその影響が及ぶ、と警告していた。公開情報によると、同社はモーターの一部を上海から調達しているという。
また同じくEVメーカーの「理想汽車」も、コロナの影響で生産や納車が遅れ、前月比で6割以上ダウンした。CEOの瀋亜楠氏は5月1日、「江蘇省常州にある工場は、部品の80%を長江デルタから仕入れており、供給元の大部分が上海や隣接する江蘇省昆山にあるが、納入ができず、完全に生産が止まった会社もある」と話した。
蔚来汽車は5月1日、4月の納入台数は前月比49%減となる5074台と発表した。また小鵬汽車は同じく41.6%減の9002台、理想汽車は62%減の4167台であった。
ボッシュ・チャイナの陳玉東代表は5月1日、「政府の許可を得た会社はすでに稼働を再開しているが、外部と遮断するバブル方式を採用するため、従業員数や生産量が足りず、またすべての仕入先が再開しているわけではないので、産業チェーン全体で生産や供給を維持することは難しい」と述べた。許可制は取りやめて稼働を全面再開するように、と提案している。
(中国経済新聞)