6月2日、中国の生活サービス向けeコマースプラットフォーム大手の美団が2022年第1四半期の決算を発表した。 財務報告のデータによると、美団の2022年第1四半期の売上は462.7億元と前年比25%増だったが、純利益は35.86億元(約717億円)で赤字となった。
美団は、美団、大衆点評、美団外売など消費者に親しまれるアプリを持ち、飲食、テイクアウト、生鮮小売、タクシー配車サービス、自転車シェアリング、ホテル・旅行、映画、レジャー・娯楽など200以上のカテゴリーを網羅するサービスを提供している。
2021年に34.43億元の罰金、配達員の人件費の上昇、社区団購(コミュニティ型共同購入)政策の変更などを経て、美団は2022年第1四半期に効率化とコスト削減を目指し「リストラ」を開始したが、リストラの効果は財務データに視覚的に反映されることはなかった。
美団の悩みの種は、この損失が継続的な拡大傾向を示していることであった。美団の収益の柱である飲食テイクアウト、店舗・ホテル及び旅行事業の売上は安定的に推移し、ともに黒字を達成したが、売上高の伸びは引き続き鈍化している。
美団の基本ビジネスはテイクアウトであり、テイクアウトビジネスの成長余地はさらに狭まっている。2021年、美団のテイクアウト配達員のデリバリーコストは、テイクアウトの総収入の最大71%を占めており、 次いで、手数料収入、オンライン・マーケティング・サービスが続く。しかし、今年2月、中国政府の複数の部門が連名で、テイクアウト配達員の生存状況に注意を払い、休日出勤に特別な補助金を出して配達員の待遇を改善するよう求める文書を発表したが、これも配達面でのコストを押し上げていることは間違いないだろう。
美団の最高経営責任者である王興氏は、美団の第2四半期のホテル旅行の収益について楽観視はしていない。 彼は電話会議で、3月に美団のマーケティングサービス収入が減少し、ホテル旅行の予約はさらに楽観的ではなく、第1四半期は一桁台の減少率であったと明らかにした。また、4月および5月に発生した新型コロナウイルスのマイナスな影響は、第2四半期に反映される可能性がある。
(中国経済新聞)