中国で通信規格5Gの実用化が始まって、6月6日でちょうど3年となる。工業・情報化省によると、5月末現在、中国の5G基地局の総数は全世界の60%以上となる160万カ所で、5G対応のスマートフォン利用者数は4.1億人となっている。
中国情報通信研究院で5G研究部門のトップを務める李珊氏は、中国メディアの取材に対し、「ネットワーク整備の初期は、範囲の拡大を目指し、都市部など人口の多い地域を対象としていた。5Gの普及具合については、2020年と2021年はともに基地局がおよそ60万カ所増えるなど、わずか3年間で世界最大のネットワークを形成し、現在はすべての市部で5Gが100%到達、町村部でも90%以上となっている。今は普及対象地域を都市部から農村へシフトしている」と述べた。ネットワーク通信局など政府5部門による「2022年地方のデジタル化発展への取り組み」によると、5G は2022年末までに主要町村部にまで普及させるほか、農村地域での普及率を60%以上とするとしている。
同じく情報通信研究院5G研究部門のサブリーダーである杜加懂氏は、「中国の5Gは、技術面も産業面も世界のトップである。技術面については、規格の整備に関わる会社が40社近くあり、5Gのデザインに関する記事の発表件数が全体の30%以上となる5000件以上、また特許の件数割合は33.5%となっている。産業面では、ネットワーク機器メーカーとしてファーウェイが世界トップ、ZTEもベスト5に入っている。端末については、2021年の全世界の携帯電話出荷台数上位5社のうち、中国勢としてシャオミ、OPPO、vivoの3社が名を連ねている。さらにスマホのチップについては、同じく世界上位5社にファーウェイハイシリコンとUNISOCが食い込んでいる。また利用状況については、31の省・自治区・市および香港など全域で、工業、エネルギー、医療、観光など20以上のカテゴリーを初めとする2万件以上の分野に広がっている」と述べている。
(中国経済新聞)