通販大手のアマゾンは6月2日、およそ1年後となる2023年6月30日に、中国向けの電子書籍リーダーKindleの運営を終了すると発表した。購入済みの書籍については2024年6月30日までダウンロードでき、その後も閲覧可能という。
アマゾンは、Kindleのサービスやサポートなどは継続するとしている。2022年1月1日以降にKindleを購入し、条件を満たしている場合は、品質に関わりなく返品を受け付けるとのことである。
こうした動きについて、中国商務省はこの日、「市場経済における正常な現象だ」と表明している。
商務省の報道官は、「急成長を遂げている世界第二の経済大国である中国は、製品やサービスの世代交代が早い。外国企業も含めた様々な企業や団体が市場の発展に応じて製品やサービスを変えていくことは、市場経済の正常な現象である」と述べている。
中国は引き続き外国企業を引き寄せる力があると商務省はみており、2022年1-4月の外資の利用額は前年同期より20.5%増えて4786.1億元、中でもアメリカからの投資額は53.2%増えている。
商務省報道官は、「中国は引き続き各国からの投資を歓迎する。競争力のある新しい製品や業務、サービスをもたらして、新たな成長の仕組みを形成し、発展のメリットをシェアして欲しい」と述べている。
アマゾンは2007年に書籍リーダーのKindleを発表し、2013年に中国へ導入して、6か月後に早くも利益を出している。中国では導入から5年間で数百万台を売り上げ、アマゾンによると2017年に世界最大のKindle利用国となり、毎年二桁成長を遂げているという。
ただ、書籍リーダーはこのところ科大訊飛、掌閲、ハイセンスなど参入が相次いでいるほか、Wechatや、QQなどはKindleのAppよりもユーザー数が多く、こうしたライバルの出現でKindleは伸び悩み傾向にある。
現在、アマゾンが中国で行っている業務は、海外通販、ショップの開設、Kindle、クラウドコンピューティングである。
(中国経済新聞)