中国の白物家電各社が2021年度の決算を発表

2022/05/13 13:11

5月に入り、中国の家電上場会社が相次ぎ2021年および2022年第一四半期の決算を発表した。全般的に、売り上げは回復傾向だが需要は伸び悩み、利益は楽観視できない状態である。

この1年間、白物家電の大手三社である美的、ハイアール、グリーのうち、売上が急成長したのが美的で、初めて3000億元を超えた。また業界別に見て、黒物家電は生産過剰で伸び悩み、キッチン家電は小物は伸びず、一体型コンロは成長途上、といった具合である。

家電業界はしかし、原材料費や海上輸送費の上昇、コロナの長期化といった影響により、高規格、多角的、国際化へと歩み始めており、2022年の主な取り組みとして、各社とも生産効率の引き上げやコスト削減を掲げている。

高規格品の割合を伸ばしているハイアールは2021年、国内の乾燥機の売上高が203%も伸び、現場売りのトップに躍り出た。一方、多角化を取り組みの軸に据えたグリーの業務報告を見ると、商業分野の開拓に努め、太陽光(蓄電)エアコン、蓄電製品、先進設備、精密金型、特殊コンプレッサー、高規格機器などの売上規模拡大に努めるとしている。

中国家電研究院および家電工業情報センターが共同発表したレポートを見ると、家電業界における2021年の国内の小売規模は7542.8億元で、伸び率はGDP成長率を下回る3.4%増にとどまっている。

家電上場18社のうち、2021年の売上高が1000億元(約1.9兆円)を超えたのは美的、ハイアール、グリーの3社で、このうち美的が3412億元(約6兆4597億円)で18社中最高、グリーは前年比11.7%増の1878億元(約3兆5555億円)であった。このほか10社が100億元から1000億元の間であった。

また利益は、18社のうち同じく美的、ハイアール、グリーの3社が100億元を超え、美的が285億元でトップ、次いでグリーが230億元であった。その他の15社はいずれも30億元以下で、最下位はAUCMAであった。

利益を2020年比で見ると、10社がプラス、8社がマイナスであった。このうち、レンジやコンロを主力とする華帝は49.17%も落ち込んでいる。

2022年の見通しであるが、第一四半期は小売売上高が前年同期より11.1%下がり、1430億元(約2兆7073億円)であった。コロナにより需要が著しく減退している。

(中国経済新聞)