中国政府、電子タバコの販売規制策を発表

2022/05/4 21:22

中国で5月1日から「電子タバコ管理法」が実施されている。タバコ以外の匂いを添加したり、個人で蒸気などを添加したりした電子タバコの販売を禁止するものである。

これだけ厳しい規制が敷かれたことで、タバコ業界の将来を心配する声が大きな騒ぎを呼んでいる。

電子タバコに対する規制問題は、かねてから業界に大ピンチを招くと見られていた。中国はここ数年、未成年者を強く保護する政策を打ち出し、またネット販売の禁止に踏み切った。

しかしこうした中で、電子タバコの販売や輸出がここ数年急成長しており、特に輸出については、2021年には数量・価格とも伸びている。

世界最大のタバコ消費国である中国は、CICのデータでは2019年の喫煙人口が2.87億人で、消費量は世界の40%以上にあたる2.35兆本となっている。

電子タバコも好調であり、iResearchによると2021年は利用者のうち紙巻タバコを吸っていた人の割合が98.5%で、新たに吸い始めた人はわずか1.5%であった。

また、電子タバコに関連した企業の数もこの5年間で急増しており、2019年には9800社であったが2021年には8.41万店に増えている。

業界全体の規模も膨らんでおり、2021年の国内の市場規模は145億元で、2022年の成長率は76.0%、規模は255億元となると見られる。さらには輸出量も膨大であり、2021年は金額にして1015.0億元、2022年は成長率が63.4%、規模は1658.8億元と見られる。2021年現在、中国製の電子タバコは世界の95%以上を占め、200以上の国・地域に輸出されている。

今回、中国で発表された規制策では、「大衆の健康を守る」、 「未成年者から遠ざける」、「電子タバコは無害ではない」、「非喫煙者に電子タバコは勧めない」と強調されている。国内市場におけるルール化は当然の流れとして、メーカー側は一段と輸出の拡大を求めることになるだろう。

(中国経済新聞)