ドイツのメルク、106億円をかけ江蘇省張家港に工場を建設

2022/06/2 08:00

ドイツのエレクトロニクス会社・メルクが2022年初め、チップの製造事業拡大に向け、2025年までに10億元(約193億円)以上を中国につぎ込むという、中国への「投資倍増計画」を発表している。

メルクは5月31日、この計画の中心として、江蘇省張家港市の江蘇揚子江国際化学エリアに半導体の総合拠点を建設することで合意したと発表した。

敷地面積は約69ムーで、5.5億元(約106億円)をかけて薄膜材料や特殊ガスを量産する工場および化学品倉庫や運営拠点を設けるという。

中国現地法人のアラン・ガボール(Allan Gabor)社長は、「世界でチップの半分以上が中国に集結しており、チップメーカーがこれまでにないような生産増強や拡張を進めている。中国はまた、集積回路の製造も世界最速で伸びており、その産業規模の半分が長江デルタに集中しているうえ、半導体関連会社も産業全体に行き渡っている。張家港に拠点を設けることでエレクトロニクス業務が加速し、チップメーカーやシリコンウェハーの製造、実装テストを手掛ける各社の急速な成長を支え、中国の半導体産業の強力化やデジタル市場のスケールアップへ大きく貢献していく」と述べている。

メルクは中国で現在、上海の金橋と高橋、江蘇省蘇州にハイテク製造工場があり、ディスプレイや半導体材料、および特殊ガスや高純度化学品の安全な納入システムの生産や営業を手掛けている。

(中国経済新聞)