小熊電器の業績悪化、マーケティングコストが原因か

2022/09/27 20:00

「若い人が好む小型家電」と位置づけてられている小熊電器(ベア・エレクトリック・アプライアンス)は、業績の悪化が顕著となっている。

9月22日、小熊電器の最新発表によると、調達した資金最大7億元(約141億円)を資金繰りに充てる意向であることが明らかとなり、その内3億元を小熊電器の追加資金に充てる。財務管理に投入する資金源のうち、3.22億元(約65.2億円)は、2019年のIPO(新規株式公開)による資金調達残高である。また、小熊電器は6月末時点で9.74億元(約197億円)の金融資産を持ち、そのうち現金および現金同等物は5.36億元(約108億円)となっている。

注目すべきは、2022年上半期における小熊電器のマーケティングコスト3.10億元(約62.7億円)で、前年同期比25.51%増となり、売上高の13.15%、親会社株主に帰属する当期純利益の6.65%の成長率を大きく上回っている。

また、マーケティングコストを増大させることで、売上高成長率の鈍化傾向を変えることは非常に難しい。小熊電器は2019年のIPOから3年半で、マーケティングコストとして総額16.99億元(約344億円)を投じ、親会社株主に帰属する当期純利益11.2億元(約227億円)を大きく上回っている。

マーケティングコストの増大は、2022年上半期の売上高、及び親会社株主に帰属する当期純利益の改善にはつながらなかった。同時に、2022年上半期の売上高、及び親会社株主に帰属する当期純利益の増加率は、2021年の業績不振という低い基準で算出しており、この要因を除くと、マーケティングコストは業績改善にほとんど影響を与えていない。

実は、小熊電器の低コストの研究開発と多額のマーケティングコストについては、市場でも批判が多い。決算報告書によると、2021年と2022年上半期の小熊電器の売上高研究開発費比率はそれぞれ3.61%と3.46%で、同時期のマーケティングコストが占める割合よりはるかに小さい。 

Wind社の統計によると、小型家電メーカー19社の中で、小熊電器の売上高研究開発費比率は13位であった。収益規模が小熊電器よりはるかに大きい莱克電気(キングクリーン・エレクトリック)や奥佳華(オガワ・インテリジェントヘルス・テクノロジー)は売上高研究開発費比率が5%に近い。

(中国経済新聞)

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