アメリカ国会では、数年前から外国への投資に規制を求める声が出ていたが、ビジネス界の呼びかけにより実行されていなかった。「2018年外国投資リスク審査現代化法」(FIRRMA)で、こうした内容も盛り込まれたが、最終的に削除され、外国からの投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)を設立するにとどまっていた。
ところが現地時間6月13日、議員7人が連名で、外国投資を規制し、サプライチェーンについて「中国も含め関係国に左右されない」ように保護する、といった「両党革新案」を発表した。
この法案により、アメリカ企業による中国への投資に影響が生じる。
民主党参議院のケイシー(Bob Casey)議員が提出した、中国など外国への投資規制を求める「2021年国家危機対応力防御案」(NCCDA)について、アメリカ企業を代表する米中貿易全国委員会は「外国への投資を管理するのは250年のアメリカ史上初めてのこと」と表明した。この提案によって、過去20年間における中国への直接投資のうち43%が審査を受けることになる。
この法案はまた、中国への輸出規制強化も求めており、太陽光発電の部品について中国への依存度削減や、政府関連の機器におけるTikTokの利用禁止、政府当局による中国製ドローンの購入禁止なども盛り込まれている。
「ウォールストリートジャーナル」によると、この法案はバイオメディカル、大型バッテリー、レアアース、量子コンピューター、超音速技術、フィンテック、ロボット、水中ドローンといった分野にまで及んでいるが、ソフトウェアのライセンスなど「日常のビジネス取引」は対象外とのことである。また投資の内容は、現地法人設立によるグリーンフィールド投資のほか、合弁形式やベンチャー式、未公開株による投資などが対象である。
(中国経済新聞)