新型コロナウイルス対策で中国企業への注文が途絶える

2022/06/11 10:30

「外国人顧客が、ベトナムでより良いメーカーを見つけたので、10月の1億元を超えるクリスマスの大口注文をキャンセルした。」 常社長は、「この注文は、会社における全事業の40%を占めている」と渋い顔で話した。

第一財経日報によると、常社長の会社は主に紳士・婦人用下着と2歳以下のベビー服を生産している。 常社長は23年間、衣料品の輸出加工ビジネスに携わっており、現在、工場で2,000人以上、下請けのサポート企業で1,000人近くを雇用している。

「海外の顧客は、アメリカ、カナダ、オーストラリアの大手スーパーが中心だが、新型コロナウイルスの影響でサプライチェーンが混乱し、あらゆるコストが上昇しているため、海外の顧客の一部は、新しい加工企業を求めてベトナムなど東南アジアの国々に目を向け始めている」と常社長は心配そうに話した。

また、欧米の顧客は一般的に、中国のビジネスパートナーのサービスに対して、高い誠実さ、良い品質、高いコストパフォーマンス、高い満足度を感じていると報告しているが、東南アジア諸国の一部の企業は、「ハード」と「ソフト」の条件において、中国企業に及ばないと述べている。

しかし、さまざまな要因から、これら海外の大口顧客が中国企業に発注する際の考慮事項は、以前よりも大幅に増えており、中国市場に対する不安も大きく、長年取引してきた中国企業の海外工場設立を求める声も聞かれるようになった。

「こうした海外の顧客からは、アフリカに工場を作った方がいい、それなら10%以上値上げしてもいいとまで言われたが、我々のような中国企業がアフリカに工場を作るのはあまり現実的ではない 」と述べ、常社長自身、以前アフリカの国々を訪問したが、確かに労働力は安く、月給は50ドルぐらいだが、現地は電力不足で、原材料の入手が困難などの問題があるという。

ベトナムにとっても、中国の伝統的な衣料品メーカーが行くのは必ずしも良いことではないと常社長は考えている。彼は何度もベトナムを訪れているが、この2年間、ベトナムは繊維産業などの伝統産業の誘致にはあまり乗り気ではなく、ハイエンド産業の誘致を望んでいるようだ。 また、ベトナムの熟練工の月収は4,500元(約9万円)近くあり、人件費はどんどん上昇し中国に近づいている。

(中国経済新聞)