液晶パネルがここ10年間で最大の減産をしている。台湾や韓国の各メーカーが第二四半期から減産体制に入ったほか、中国も6月から減産を始め、業界全体でおよそ20%の生産減となると見られている。テレビ用のパネルは1年以上、IT用も半年以上値下がり傾向にあり、下半期に持ち直すかは需要次第である。
群智諮詢(Sigmaintell)によると、2022年第二四半期における世界の大型液晶パネルの生産量は、前期比で3.3%マイナス、また第三四半期も同じく7%落ち込むと見ている。
「パネル業界がこれだけの規模やラインで減産するのは10年ぶり(2013年以降)のことで、価格ダウンへの歯止めにもつながる」。群智諮詢の李亜琴社長は第一財経日報に対してこのように述べた。2008年のリーマンショックの際は、台湾や韓国は大幅に減産したが、中国メーカーは当時主力ではなかったとのことである。
今回の減産は、テレビ用だけでなくディスプレイ、タブレット、ノートPC用も対象である。李社長はこれについて、「需給や価格の問題、そして赤字が原因である。大型パネルの三大用途であるノートPC、ディスプレイ、テレビがいずれも需要を落としている。例年好調となる第三四半期であるが、大型品は需要が伸びず、コロナによる追い風も止み、地理的要因やインフレにも足を引っ張られている」と述べている。
テレビ用パネルの価格は、2021年6月から2022年6月まで13か月連続で値下がりしており、IT用も半年から9か月ほど値下がりが続いている。李社長は、「価格の下落によりメーカー側で利益が出なくなっている。中でもTV用については、大型サイズが原価割れ販売、IT用も一部でやはり原価割れである」という。
台湾と韓国が第二四半期から、中国も6月から減産に入った。李社長は、減産分は業界全体でおよそ20%と見ており、第三四半期には需給も回復して値下がりにブレーキがかかるとのことである。
(中国経済新聞)