モルガンチェース:今年の中国の自動車販売台数は2%減

2022/05/19 10:19

コロナに見舞われる中国で、収束後にリベンジ消費が発生する可能性について注目されている。

モルガンチェース中国証券研究部・アジア自動車業界研究グループのリーダーである頼以哲氏は5月18日、「自動車については2020 年第二四半期のようなリベンジ消費が起きる可能性は薄い」と述べた。

モルガンチェース中国証券研究部は先ごろ、今年の中国の乗用車生産、卸売り販売の予想を「横ばい」に下方修正し、小売り需要が落ちると見なした。商用車も含めた全販売台数は2%減少すると予想している。

モルガンチェースはこれまで、今年の中国の乗用車生産・卸売り販売数量を8%増、小売り需要を3%-5%増とし、商用車も含めた自動車全体の伸び幅を6%と予想していたが、吉林省や上海でのコロナ発生を受けて、それらを修正した。

今年3月から4月にかけて、吉林省と上海でコロナ発生により長期のロックダウンが講じられ、現地の車両工場ほか全国のサプライチェーンが打撃を受けた。これにチップの供給不足も加わり、自動車業界は大幅な生産減を強いられた。

中国自動車工業協会によると、4月の生産台数は前月比46.2%減、前年比46.1%減の120.5万台、販売は前月比47.1%減、前年比47.6%減の118.1万台であった。

頼氏は、今年ロックダウンした都市や省の経済規模を合わせると中国全体のGDPの25%前後もあり、経済や消費に対する自信がかなり揺らぎ、コロナの後も自動車需要は2020年第二四半期のようなV字回復には至らないだろうと見ている。「2020年は、コロナが発生した後に『被害は最初だが回復は真っ先』と見られた。今年は、徐々に収束に向かったうえ、6、7月は4、5月に比べて生産が戻るだろうが、店の客足から見積もられる小売り需要は伸び悩み、2020 年第二四半期のようなリベンジ消費が起きる可能性は薄い」と頼氏は見ている。

(中国経済新聞)