中国人民銀行元局長「第二四半期の経済成長率は2.1%前後か」

2022/05/16 11:45

中国人民銀行調査統計局の盛松成元局長は5月15日、北京の清華五道口で行われた経済フォーラムで、コロナによる中国経済への影響は第一四半期でなく第二四半期に現れると述べた。

盛氏は、「コロナが深刻だった地域は、2020年は武漢だったが、今回は長江デルタ、珠江デルタ、北京や天津、唐山といった経済循環の要衝である。上海の場合、コロナ対策により港湾部などの輸送力に支障が出て、近接する江蘇省の昆山や蘇州といった主要な製造拠点へも影響が及んだ。すなわち、コロナの影響はサプライチェーンを中心に拡散していることがわかり、さらには時間とともに延伸している。サプライチェーンの停滞が長引くと、中小の製造業者が生き残れなくなるほか、世界のサプライチェーンで改革が早まる、などといった弊害が生じる。これで中国の競争メリットがある程度失われてしまう」と述べた。

さらに盛氏は、「第二四半期のGDP成長率は、幅広に見て1.7%~3.2%となるだろうが、おそらく2.1%前後となるのではないか。そうなると上半期は3.5%前後となる。年間で言えば、第三四半期が5.5%に達し、第四四半期が6%となれば、トータルで5%までいくだろう」と指摘した。

盛氏はただし、コロナのほかにロシアとウクライナの戦争も中国経済に影響すると強調した。「中国政府が目標を5.5%前後と定めた当時は開戦前だった。この戦争で中国経済は最終的にどういったダメージを受けるのかは何とも言えず、不確定要素が多分に存在する」としている。

(中国経済新聞)