中国で上場会社が相次いで第一四半期の決算を発表する中、車載電池メーカーの「増収減益」傾向が見られ、業界内で「調整」がキーワードとなっている。
中国ハイテク産業研究院によると、2022年第一四半期における中国の車載電池の全容量は前年比140%プラスの約46.87GWhで、このうち上位10社の合計が95%にあたる約44.37GWhとなっている。上位に座るCATLやBYDのほか、それに続くLGエナジー、蜂巣能源、中創新航なども大口注文を伸ばしており、競争が激化している。
中国工業・情報化部電子情報局によると、2021年、中国のリチウムイオン電池生産量は前年比165%プラスの220GWhで、会社別に見るとCATLが52%を占め、それ以外はいずれも1.27%-6.14%の間である。
ただ、各社とも投資ファンドに支えられてシェア争いに乗り出しているほか、新エネ車を巡る利益について業界全体で変化が生じ、新たな市場体制が形成されつつある。
中国政府が保護環境などを目的に電気自動車(EV)の生産を強く支援していることから、車載電池を巡り激しい競争が展開されている。国内企業のほか、LG化学、SK Innovation、パナソニック、サムソンSDIなどの外国勢も中国での投資や提携を拡大している。2019年には、LG化学がEV用バッテリーの生産・販売に向け吉利汽車と合弁会社を設立したほか、韓国SK Innovationが江蘇省常州に年産7.5GWh規模と見られる工場を設立している。
(中国経済新聞)