5月3日の朝、中国中央テレビは、浙江省杭州市当局がインターネットを利用して国家分裂や政権転覆の扇動をした疑いで「馬某」という人物を捜査中だと報じた。
姓のみしか報じられなかったことに加え、アリババが杭州に本社を置いているため、中国の交流サイト(SNS)では「これは馬雲なのか?」との連想から、3日の香港株式市場でアリババ株が一時、9%超急落した。
その後、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報の前編集長、胡錫進(こ・しゃくしん)氏が自身のSNSで、調査を受けている人物の姓名は3文字だと指摘した。その後、中央テレビも「馬某」を「馬某某」3文字に直し、アリババ株は持ち直す動きを見せた。
馬氏は、2020年10月の上海シンポジウムで金融当局を批判するような発言を行った。その直後に、アリババ傘下で電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を運営する金融会社「アント・グループ」が、上海と香港で計画していた株式上場が延期に追い込まれた。
こうした経緯から、馬氏の動向は中国のネット世論に敏感になった。
(中国経済新聞)