中国初のデザイナーズトイメーカーであるポップマートは、2022年第三四半期の監査前決算を発表した。上半期の売上高は前年同期を33.1%上回る23.59億元(約479億円)で、最終利益は同じく7.2%減の3.32億元(67.5億円)であった。売上高は成長を続けたものの、伸び率は最盛期の200%以上から大きくダウンしている。
一番の市場である中国国内での収益が前年を10%-15%下回り、中身を見てもすべてのチャネルで後退している。唯一の明るい材料は今年に入って海外事業が伸びていることであり、自信の回復を果たす切り札となっている。第三四半期は香港・マカオ・台湾および海外での収益が前年同期比でプラス115%-120%であった。
ただしこれはあくまでも一部分であり、業績全体を押し上げるほどではなく、不透明性も多分に存在する。見所の薄い業績発表を受けて市場での評価も案の定だいぶ下がってしまった。
ポップマートへの悲観的な見方は以前から広まっていた。2020年に上場を果たした際、時価は一時1500億香港ドル(約2.83兆円)近くに達したが、今年7月中旬に業績予想を発表してから株価は30%以上もダウンし、過去最低となった。時価も今年の初めの最高値から、600億香港ドル(約1.13兆円)以上も値下がりしている。
ポップマートはつまり、売れなくなってしまっている。過去を振り返ると、上場の当時はちょうど新たなブームに乗っていた頃で、調子に乗って「アートトイの筆頭株」ともてはやされ、鮮やかな実績を残した。しかし今はそれが一転し、ブームは冷え込んで市場も落ち着き、カプセルトイも「不要な消費」となっていつの間にか見放されてしまった。決算データを見ると、会員リピート率も下がる一方であり、2019年には58%、2021年には56.5%で、今年上半期は47.9%となっている。
(中国経済新聞)
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