中国政府、新たな都市化への計画を発表

2022/06/8 17:05

中国政府は6月上旬、地方を対象に「新型都市化計画(2021-2035年)」を発表した。2014-2020年における同計画の後を継ぐもので、2035年に向けて都市化への新たなトップデザインを築くものである。

中国は2021年末現在、都市部に住む人口の割合が64.72%となっている。

14億の人口を抱える国が都市化を目指すのは過去にも例がなく、極めて困難な道のりである。ゆえにこれまでの実行で、重要視すべき様々な問題も発覚している。例えば、一部の巨大都市に機能が集中しすぎて、都心部に人口が密集し、一方で小さな都市や県の中心などでは産業も人も集まらず、また都市整備を進める中で資源や環境面を顧みずに巨大化を求めた地域もあった。

また一方、経済成長が新たな段階に入って、都市化のプロセスで問題が発生している。中国は農業とそれ以外の産業で労働生産性や所得に大きな開きがあり、都市化が強く求められている農村部から都市部に人が流れ込む状態である。ただし、経済が安定成長の段階に入ると、人口とその内容構成が変化し、都市部への出稼ぎ者が減少し、都市化も急成長段階から横ばい状態になっていく。

成長の土台や条件が変わったことで取り組み内容を変えていく必要があり、今回発表された計画はこうした大切なステップにおける方針を示したものである。都市人口ほぼ65%という現状を見据え、段階的目標をやや調整していくとともに、農村から都市への転入者に対する市民資格付与についても道筋が示されている。

(中国経済新聞)