二ヶ月に及ぶロックダウンを経て、上海市の住民たちは居住地域でスーパーや散歩に出かけられるようになった。北京市では7日間一人も陽性者が出なかった地域では封鎖を解く通知が5月28日に発表された。しかし上海であれ、北京であれ、PCR検査はすでに人々の生活にとって身近な存在となり、二日に一度検査を受けなければ一歩も歩けないほどだ。中国政府は二日に一度48時間有効のPCR検査受けることを「PCR検査の常態化」と呼ぶ。これは48時間に一度検査を求められる都市で、市民は一年に182回PCR検査を受けることになる。
不完全ではあるが中国財新網の統計によれば、5月25日時点で、すでに5つの省と31の都市で常態化検査が行われているという。第七回の全国人口センサスのデータに基づき計算すると、検査を行った総人口規模は約5.94億人になる。
PCR検査はすでに中国人の日常生活を強く縛り付け、一枚の検査報告書はもはや国民の第二の身分証明書となった。それがないと一歩も歩けない。そのくせ有効期限はわずか48時間である。常態化が始まると、公共交通機関、博物館、公園、ショッピングモールやスーパー、レストラン、オフィス、居住地区などでは、いずれも証明が求められる。決められた時間通りに検査を受けていないと、「绿码」を与えられるのは難しい(訳注:中国の陰性証明アプリは健康状態によってQRコードの色が変わる。異常が無く通行が認められる場合はQRコードが緑色になる)。例えば江西省では、指示通りに検査を受けていない者のQRコードは灰色で表示される。灰色のQRコードは12時間を過ぎると検査をしていない黄色へと変わり、公共エリアへの立ち入りや公共交通機関の利用が禁止されてしまう。
48時間の制限は、市民が自由に活動する時間を縛るだけでなく、都市の規則まで変えた。都市で感染状況を管理ために、無料のPCR検査所を設置しなくてはならなくなった。国務院新型コロナウィルス肺炎協同防止・抑制機構は、5月9日のテレビ電話会議で、大都市にはPCRの検査エリアを設け毎週定期的に検査するよう強く求めた。徒歩15分圏内に検査スポットを設置し、30分以上待たなくてすむようにしようとしてる。
この常態化したPCR検査は、すでに「1530PCR検査サービスエリア」と呼ばれている。浙江省杭州市は1200万人を超える大都市である。すでに1万カ所のサンプルスポットが設けられ、48時間のPCR検査の常態化が実施されている。
新型コロナウィルスがある限り、PCR検査は中国人の生活上第一の重要任務となった。PCR検査がなければ、中国人の仕事や生活は成立できず、暮らしも失ってしまうのだ。
(中国経済新聞)