共産党大会を前に各省でトップ交代相次ぐ

2022/05/2 14:34

中国各省は、トップ交代期間の「後半戦」の幕開けとして、2022年4月末に貴州省、海南省、黒竜江省で相次ぎ共産党大会が行われた。直轄市である4市と浙江省、広東省など17の地域で、2022年前半に次期の省代表を決める選挙が相次いで行われる。

中国政府の人事の大規模な刷新が行われる5年に一度の中国共産党大会は、今年11月に行われる見込みで、これに先立ち、地方の「諸侯」である省委員書記の交代ラッシュが続いてしている。

2022年に入り、湖北省、青海省、寧夏自治区、河北省、四川省、内モンゴル自治区でトップ交代が果たされ、うち湖北省、青海省、寧夏自治区、四川省は2022年5月から6月に党大会を行い、政権交代を前に政府部門に配属されることになる。

学者肌である65歳の石泰峰氏は中国社会科学院の院長兼共産党グループ書記に就任

2022年に入って就任した省の各トップは、おしなべて中央政府からの「天下り」組である。具体的には、湖北省の王蒙徽氏は元住宅建設部のトップ、寧夏自治区の梁言順氏は政府や国家機関で日常業務を担当していた副書記、河北省の倪岳峰氏は元税関署署長、四川省の王暁暉氏は中央宣伝部で日常業務にあったっていた副代表、内モンゴルの孫紹騁氏は退役軍人事務部の元部長である。唯一の例外は青海省の信長星氏で、元青海省の省長である。

これら6地域の、これまでのトップの去就であるが、応勇氏(湖北)、王建軍氏(青海)、陳潤児氏(寧夏)は全人大に異動する。新華社通信によると、王東峰氏(河北)、彭清華氏(四川)は年齢的な理由での退任とのことである。

内モンゴル自治区でトップを務めていた、学者肌である65歳の石泰峰氏は、退任翌日の4月30日に、67歳の謝伏瞻氏の後を継いで中国社会科学院の院長兼共産党グループ書記に就任すると発表された。石氏は12年ぶりに北京に戻り、学界に復帰することになる。

石氏は、北京大学法学部を卒業したのちに法学修士を取得、その後中央党学校で教員を務め、2001年に同校の副校長に就任した。

今回の相次ぐ省トップ交代の特徴は「高学歴」であり、海南省はトップ就任となる瀋暁明氏、および省長となる馮飛氏がいずれも「ダブルドクター」である。瀋氏は温州医学院を卒業後、上海第二医科大学小児科で博士課程を修了し、1996年に米ニューヨークのアインシュタイン医学校でさらに研究に従事している。

馮氏は、1981年から1991年にかけて天津大学電力・自動化工程学部で博士課程まで修了、1991年から1993年まで清華大学機械工程・応用電子技術学部でさらに研究を続けた。

海南省は、常務委員会12名のうち、陳国猛氏が中国政法大学の法学博士、瀋丹陽氏がアモイ大学経済学博士、王斌氏が中国海洋大学工学博士、羅増斌氏が四川大学理学博士、楊暁和氏が中国科学院管理学博士をそれぞれ修了、といった具合に、「ドクター集団」の指導部となっている。(中国経済新聞 速水静)