中国の主な家族の形態は、四世代が同じ家に暮らす「四世同堂」から、一組の夫婦とその子どもからなる「核家族」へと変化し、今はさらに、一人暮らしの単身世帯や一組の夫婦のみの世帯がメインになるようになっている。
最近発表された中国統計年鑑によると、2020年における中国全土の「一世代世帯」の割合は10年前と比べて15・33ポイント上昇し、49・5%に達した。
「一世代世帯」というのは、一人暮らしの単身世帯や子供のいない夫婦のみの世帯など、一世代の家族のみで構成されている世帯を指す。
2010年には47・8%だった「二世代世帯(最も典型的なのは一組の夫婦とその子ども)」の割合は2020年には36・7%にまで縮小した。
武漢科技大学の董登教授は、このような局面になっている主な原因について、「合計特殊出生率の下降」、「人口の高齢化」、「人口流動」などの要素を挙げている。
ここ10年を見ると、一世代世帯の割合が急上昇している。
2010年、中国の家庭は「二世代世帯」がメインで、「一世代世帯」の割合は34・2%だった。しかし、2020年にはその「立場」が逆転し、「一世代世帯」の割合が約50%まで上昇した。
「一世代世帯」の構成はさまざまで、一人暮らし、夫妻2人、空の巣老人(子どもが巣立った後に残された高齢者)などがある。
省別に見ると、状況は異なるものの、「一世代世帯」が急増しており、40%未満の省は一つもない。上海市、黒竜江省、北京市、浙江省はいずれも58%以上となっている。一方、海南省や雲南省、福建省といった地域は40%をわずかに上回る程度となっている。
このように人口の流入と流出が多い省・区・市の「一世代世帯」の割合は高くなっていることが分かる。
また、以前は「一世代世帯」の割合が低かった省・区・市はここ10年、その割合が急上昇している。人口の多い河南省を例にすると、「一世代世帯」の割合は、2010年には25・2%にとどまっていたものの、2020年には17・8ポイント上昇して43・0%に達した。
つまり、「一世代世帯」の割合の上昇は、中国全体で起きているということになる。
(中国経済新聞)