数千年間にわたりお茶を愛飲してきた中国人が、嗜好を外来品のコーヒーに変えようとしている。
中国はここ数年カフェが急激に増えており、オフィス街から住宅街まで、都市部から農村部まであちこちにカフェが見られるようになった。何とはなしに「カフェに行こう」、といった人づきあいが今や定着しつつある。
中国は今、コーヒーの消費者がおよそ3億人いると業界内で見られている。愛飲者が増えるにつれて業界自体も「稼ぎ所」と見られるようになり、有名企業が続々とコーヒー市場に参入している。
今年に入り、各業種からコーヒー業界に参入するケースが相次いでいる。まず中国郵政が福建省アモイに初の郵便局カフェを設け、次にスポーツ用品メーカーの「李寧(Li Ning)」も自社のコーヒーブランドを打ち出した。さらには老舗の靴販売店である「内聯昇(Nei Lian Sheng)」もカフェをオープンさせている。
新エネ車メーカーの「蔚来」(NIO)もコーヒーブランド4種類について登録申請をしたほか、9月にはスポーツ用品メーカーの「特歩」(Xtep)も同じくコーヒーブランド3種類を申請した。IT企業のファーウェイも今年5月に同じくコーヒーの商標申請をしている。
コーヒー業界は中国で伸び盛りである。現在はコーヒー関連企業が16.6万社を数え、うち2022年1~9月に登録した企業数が2.2万社以上で、新規参入社数は毎月36.4%の割合で増えている。
こうした中、少しでも現地に馴染ませようと、中国らしさのあるコーヒーを出す店が増えている。ある飲食ブランドは8月末に、漬物の汁を交えた上にその一品を添えた「漬物コーヒー」を提供し、天津ではヨーグルトと杏仁豆腐を入れて豆腐によく似せた形の「豆腐ラテ」を出す店まで現れている。
あるアンケートによると、「中華風味を交えたコーヒーを出したことでその銘柄が気に入った」と答えた割合が91.4%に達している。
(中国経済新聞)
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