中国の教育大手企業「新東方在線」は株価が上昇の一途で、6月13日は58.27%値上がりして9.86香港ドル元/株、時価総額は98.67億香港ドル(およそ84.58億元)となった。6月10日にも39.37%値上がりしており、わずか2営業日で株価が2倍となっている。
新東方教育科技グループの配下で、中国で初めてオンライン教育に特化した企業として2005年に設立された新東方在線は、10数年の成長を経て、就学前から大人までの全年齢層を対象にしたカリキュラムを備えるようになった。
新東方が教育業務の締め付けを受けて株価を大きく落とし、廃業の危機も迎えたが、ライブ配信業務を軸に立て直しを図ってきた。
会長の兪敏洪氏は6月8日、Wechatアカウント「老兪閑話」で、1週間かけて「新東方スタジオ」のスタッフを結成したと述べた。現在は兪氏自らメンバーを率いて配信をしている。
そのスタジオで実施された英語での商品説明が、大ヒットするに至った。6月10日、新東方で英語教師を務める董宇輝氏が、ライブコマースで中国語と英語の二か国語により商品説明をした。Tiktokで英語学習を兼ねて説明を聞く、という具合に、スタジオが英語学習の場となった。こうした方法は単なる棒暗記よりずっと覚えやすく、たちまちにして大ヒットとなった。もちろん、「文化を売っている」、「英語を学びに来たのに」との声もスタジオに届いている。
兪氏が以前に出版した「絶望の淵に立たされていた」という本の読者が10日に、新東方在線を購入し、40%も値上がりした。この読者は、「教育の本質は大人である。兪氏のように打ちひしがれて絶望の中から希望を探った人や、その仲間たちは、確実に息を吹き返す。新東方も見直されるに違いない」と表明している。
(中国経済新聞)