新興のスマート自動車メーカー、リ・オート(中国語名は“理想汽车” )が作る「理想ONE」に、ブレーキシステムの問題が浮上し交通事故を引き起こした。
5月31日晩「理想ONE」の持ち主が運転していると、三輪自動車が右前方から飛び込んできた。両者は衝突し相手が一人死亡し、一人傷を負った。車の持ち主によると、衝突前に衝突被害軽減ブレーキの警告も介入もなかったという。持ち主は当時時速47キロで走行していたこと、正しく道路を走行し信号も青に点灯している常態で渡っていたことを、走行記録やビデオのキャプチャーを使ってメディアに示した。しかし三輪車が突然道路を横切り車の前に立ちはだかったのだ。
車の持ち主はAEBが基準に達しなかった、あるいは故障があったため、事故がおこったのではないかと考えており、車の交換や返品を望んでいる。
リ・オートはまだこのことについてコメントをしていない。
リ・オートは中国の新エネルギー自動車メーカーである。設計、研究開発、製造、販売を手がける。2015年7月に設立し、設立者の李想は中国の有名な起業家で、訪問数世界一の自動車販売ウェブサイト「車の家(中国語では“汽车之家”)」を立ち上げた。2020年7月30日にはアメリカのナスダックに上場した。
「理想ONE」はリ・オートの最初の商品で、2018年10月に発表された。スマート電動6シートのSUVだ。同社によれば、「最新のレンジエクステンダー技術とスマートテクノロジー」が使われているという。2020年理想ONEは、中国の新エネルギーSUV市場で最も購入された。販売価格は35万元(約675万円)。2022年1月末まで13万6356台販売された。
(中国経済新聞)