上海の物流各社、多難な業務再開の道のり

2022/05/30 14:05

中国ではコロナの影響で、他地域への道路閉鎖、高速道路のサービスエリア休止、防疫検問所での渋滞発生などにより、物流各社が軒並み受注件数や利益を落としている。

運送や倉庫業務を手掛ける上海進通物流は、ここ数か月間、深刻な経営不振に陥っている。社長の朱亜東氏は、「これまで月々のコンテナ取扱数量は2500-3000件だったけれど、4月からロックダウンになってほとんど止まってしまい、収入はゼロだ」と言う。取引先の大部分が上海にあることから、売上の80%に支障が出ているとのことである。

毎月の売上高は、以前は700万元前後であったが、コロナ発生後に上海市で規制策が講じられたことで売上が激減した。一方で出費は減らず、用地の賃借料は1日あたり2万元で月に60万元前後、100人以上の社員への給与も通常支給でこの分が100万元以上かかる。「結局、毎日6、7万元が飛んでいく。銀行も閉まっているし、知り合いから借金している状態だ」と朱氏は言う。

5月20日あたりから規制も緩和され、トラックが道路を行き来するようになり、物流会社も忙しくなってきた。

ただし、業務再開への道のりは並大抵ではない。

第一財経日報によると、用地の賃貸料などがかかる上に、客先からの支払いサイトが長引いて資金繰りが苦しい。また、中小零細企業は車両通行証の入手が難しく、手に入れても他地域で使えないケースもある。長江デルタ全体で走行規制が撤廃されないことには、物流各社の活動再開は大変苦しいものになる。

(中国経済新聞)