Euromonitorによると、中国の化粧品の市場規模は2011年から2020年までの10年間で331.8億ドルから732億ドルに増え、年平均およそ9.22%という急成長ぶりを示した。2021年は811億ドルに達し、世界第2位の化粧品消費大国となっている。
このような巨大市場に、世界の大手2社が食指を動かしている。
5月8日、ロレアルが、中国初の現地法人となる「上海美次方投資有限公司」を上海市奉賢区東方美谷に設けると発表した。その2日後に資生堂も、合弁会社となる「アモイ資悦」を発足させている。
こうした事例から、中国の化粧品業界は個別展開から共同運営へと向かっている様子が見えてくる。
海外の企業が中国に進出する際、以前はローカライズのために大金をつぎ込んでいた。資生堂は、80年代生まれの女性におけるスキンケアの初歩となるジーエー、ピュアマイルド、ウララなどといったブランドを打ち立て、ロレアルも羽西、美即などの現地ブランドを配下に収めて、チャネルの充実化を進めた。
先陣を切ったこれらのブランドはすでにほぼフェードアウトし、代わって中国ブランドが台頭してきている。「花西子」はわずか2年間で10億元(約190億円)レベルに達している。
中国は今、化粧品市場における「稼ぎ所」となっている。資生堂は、2021年の中国での売上高が前年比16.5%プラスの2747億円で、市場シェアは日本での26.7%にほぼ匹敵する26.6%である。2021年はさらなるローカライズを目指して、上海に「中国東方美谷開発センター」を設けている。中国で3か所目となる開発拠点であり、美容関連からヘルシー関連全般へと業務を拡大していく役割を担う。
一方ロレアルも、上海を北アジアの本部および世界三大技術センターの一つに格上げした。すなわち、中国は事業を成長させる場、また技術革新の先頭を行く拠点であると見なすものである。またエスティローダーは今年の第二四半期、3500万ドル以上をかけて上海市閔行区虹橋に建設したグローバル開発センターがオープンする予定である。
(中国経済新聞)