「Z世代」(1995-2010年生まれ)の台頭や消費のレベルアップを受けて従来品が大きく改良しているキッチン家電。新種の品物も続々と発表されている。
マーケットリサーチ会社の「奥維雲網」によると、2021年、中国のキッチン関連品の売上数量は9156万台、また売上金額は1528億元(約2兆8930億円)で、小売額は前年比7%プラスであった。コロナ禍でプラス成長を果たしたこの業界の力強さや膨大な消費力が如実に表れている。
2021年、レンジフードのシェア上位5社は老板、方太、美的、華帝、ハイアールの順で、ガスコンロは上位4社がこれと全く同じ、5位に蘇泊爾が入っている。
また品目別に見ると、レンジ、コンロ、消毒、洗浄品といった従来種が後退気味で、キッチン家電全体における小売数量は前年比9%減、また金額は2%増にとどまっている。一方で食器洗い機、ビルトイン型、コンロ・グリル一体型など新種のものが売上数量10%増、金額25%増で、キッチン市場の成長をもたらしている。
このような勢いをもたらしたのは、今やおなじみとなったZ世代である。
ヘルシーライフの普及やコロナ禍による飲食業の不振の中、若いZ世代が台所に足を運ぶようになった。艾媒諮詢によると、2021年末現在、Z世代のうち毎週家で料理をする人が41%で、その回数も半数近くが週に4-10回、また10回以上が14%という。
中国の国勢調査では、Z世代は合計2.6億人、またそのZ世代の世帯支出に占める割合は13%である。2021年の世帯消費額から計算すると、4兆元(約75兆円)を消費していることになる。
加えてZ世代は、数が増えることはないが、消費力はまだ伸びる余地がある。2000年以降出生の世代が社会人になると、所得水準や消費欲も伸び続け、新型キッチン家電もさらなる成長が望めそうである。
(中国経済新聞)