ファーウェイは先ごろ、数学やコンピュータ、物理、素材、チップ、先端製造、化学などに実績があり、技術分野のリーダーを目指す「天才少年」を、全世界から募集すると発表した。5倍の給料を与えるという。
この「天才少年」計画は、創業者である任正非氏が2019年に発案したもので、非常に厳しい選考基準を設け、最高で201万元(約3936万円)の年俸を用意するという。
これを目指すには、学業成績だけでなく、優れた研究成果を挙げなくてはいけない。
ファーウェイはアメリカの制裁を受けてから3年目、優れた人材を獲得する必要に迫られている。技術面での人材がIT企業以上に必要なのである。
任氏は以前に、「中国は半導体の加工やEDA(電子設計自動化)について知見が足りず、EDAについてはアメリカに人材をごっそり奪われている。技術面におけるアメリカの独占を崩していく」と述べている。
しかし、「天才少年」は見つからない。
この計画を発案した当初、最初は20人ないし30人を集め、その後年々増やしていき、2020年には200人から300人とする予定だった。ところがこの目標は空振りとなっている。
ファーウェイはこれまでに20人余りを採用したが、名門の清華大学、北京大学からは3人のみである。「天才少年」のほとんどは博士課程修了者であるが、修士または学士も4人いる。
高給、ボーナス、夜間の残業食などを用意したものの、残業続きで体の方が参ってしまい、多くの社員は家庭と仕事の両立ができないと感じている。「天才少年」を引き留めて、早く成果を出してもらわなくてはいけない。これはファーウェイにとって頭痛の種である。
(中国経済新聞)