インド政府は、中国のスマートフォン製造大手・シャオミのインド法人による海外への送金が「外国為替管理法」に違反しているとし、同社の銀行口座から555.1億ルピー(約942億円)を差し押さえた。
インドで財務省配下の捜査当局は現地時間4月27日、今年2月にシャオミの現地法人による海外への送金について調査を行った結果、2014年に設立された同社が2015年から海外の会社に送金を始めていたことが分かった、と発表した。これまでに外国の法人3社に対し、特許料の支払いを名義に555.1億ルピーを振り込んでいたという。
当局によると、「こうした巨額の送金は中国の親会社の指示でやったものだ。関わりのないアメリカの法人2社への送金も、シャオミグループへの利益とするためのものだ」としている。
さらに当局はシャオミについて、「インドの法人はこれら外国の3社から何の役務も受けていない中、グループ内で架空の記録を作り、特許料との名義で送金をしていた」としたうえ、送金の際に銀行へ偽の情報を流したとも指摘した。
これについて、シャオミのインド法人は5月2日、「インドの市場に貢献している当社は、現地の法律を厳しく守って運営している。インド当局の命令は入念に検討した。特許料の支払いや銀行への情報は合法的で真実だと信じている」と回答している。
また、「インド法人が支払った特許料は、現地での製品で使われるライセンスや知的財産権の分である。したがって、この支払いはビジネス上の合法的な手順だ。誤解を払拭すべく、当局側に十分に協力している」とも称している。
シャオミにとって、インドは海外で最大の市場であり、インドで最大のスマートフォン供給先となっている。マーケットリサーチ会社のCounterpointが4月28日に発表したレポートによると、2022年第一四半期、インドのスマートフォン出荷台数は3800万台で、このうちシャオミが23%を占め、次いで三星、realme、vivo、OPPOの順となっている。
同じく中国ブランドであるoppoとファーウェイも、インド財政省の調査を受けている。インド税務局は、シャオミに対して税務調査を始めた2021年12月21日、oppoについても調査を始め、また今年2月15日にはファーウェイへの調査も始めている。
(中国経済新聞 李佳)