5兆元(約100.3兆円)近い経済規模と6000万人近い従業者を抱える中国の飲食業であるが、今やコロナによるロックダウンにより、壊滅的な損害を被っている。
コロナ発生当時の2020年初めに業界はマヒ状態に陥ったが、それから3年近く経った今も、危機的状態が続いている。
中国国家統計局の最新データによると、2022年1-4月の飲食業売上高は、2021年同期に比べて5.1%マイナスの1兆3262億元(約26兆6201億円)であり、中でも4月は前年同月比22.7%減の2609億元となっている。
無残な結果はもちろんコロナの影響であり、感染の主な要因が会食であると見なされたことから、少しでも異変があれば店仕舞いせざるを得なくなってしまった。今年に入ってから、上海、深セン、東莞、広州、長春、北京などで店内飲食が禁止され、緩やかに回復していた飲食業は再び締め付けられた。
ただし不景気の理由として、ロックダウンの背後に、賃貸料や食材費、人件費など切り詰めの難しいコストの問題がのしかかっている。飲食業界の倒産件数は、2020年には30万件であったが、2021年には100件以上にのぼっている。
飲食業に30年以上従事し、陝西省の西安で名の知れたレストランを経営している宣建軍さんは、「仕事が忙しいとかではなく、どうやってお金をやりくりすればいいのか」という、これまで経験のない焦りを感じている。
現地に12店舗で合計100人以上の従業員を抱え、毎月の賃貸料と人件費だけで130万元以上もかかるが、コロナから2年以上に渡り赤字続きで、すでに300万元以上(約6000万円)の負債を抱えているという。
飲食チェーン「西貝集団」の社長である賈国竜氏は取材に対し、「コロナで2万人以上の社員が自宅待機となり、1.5億元(約30億円)に達する毎月の給与払いは、借金をしても3か月も持たない」と話している。
(中国経済新聞)