中国各地でPCR検査員を急募 正確性を心配する声も

2022/06/7 08:00

「PCR検査担当者を急募。場所は北京で勤務時間は毎日8時間、日当は800元~900元(約1万7700日元)、休みは週1日」

北京のある派遣会社のマネージャーである周軍さんは5月中旬、主な求人サイトにこのような情報を掲載するよう社員に命じた。するとたちまち、「問い合わせの電話がパンク寸前」となった。

中国政府のコロナ対策本部は5月初めに、「大都市では徒歩15分以内でPCR検査を受けられるようにする」という、PCR検査を定着させる指針を打ち出した。北京や上海など人口1000万人以上の都市がその対象となっている。

これを受け、各地で検査のためのスポットや屋台、詰所などが続々と設置され、同時にかなりの検査員を募集する必要にも迫られている。

PCR検査員は原則、医師または看護師の資格が必要とされているが、実際には医師や看護師は病院に戻り、常日頃の検査は民間業者に委託するほかなくなっている。

よって、雇用情勢の厳しい中国で、かなりの都市でPCRのサンプル採取者や情報の入力担当、検査員などが足りないという奇妙な現象が生じている。

専門家が集まらないので、応募資格を緩和し、アルバイトなどに対して教育を施して急をしのいでいる地方も後を絶たない。医学的知識がまるでないアルバイトに1-2日間程度の教育をしたのみで検査に当たらせる例もあって、こうした体制における安全性や正確性に対する疑問の声が高まっている。

(中国経済新聞)