中国の電気自動車(EV)メーカーのビーワイディー(BYD、比亜迪自動車の略称)が、原材料リチウムの入手先を得たとの情報が伝わった。
中国澎湃新聞は5月31日、BYDがアフリカで原材料となるリチウムの鉱山6か所を入手する意向を固めたと報道した。向こう10年分の需要に相当する100万トン分の炭酸リチウムが生産可能となるという。
公開情報によると、BYDの電池生産拠点は現在、既存および計画中あわせて19か所あり、生産能力は421 GWh、中国の車載電池メーカーとしてはCATL(464.940, 28.14, 6.44%)(300750.SZ)に次ぐ勢力となっている。
BYD王伝福社長は、3月26日に行われた中国EV百人会フォーラムで、「業界として、電池の原材料価格の高騰に対応しなくてはならない。炭酸リチウムの資源入手先や生産体制を見直し、国内採掘量や輸入量を増やして価格を安定させることが望ましい」と述べている。
リチウム電池の主原料となる炭酸リチウムの価格は、去年の初めはトンあたり約5万元であったが、今年第一四半期には50万元まで値上がりしている。各メーカーとも、リチウムの入手先を見据えて安定供給をはかる動きを見せ始めている。
(中国経済新聞)