アリババ創業者のジャック・マー氏が立ち上げた金融会社「アントグループ」は、中国政府により上場を阻まれた後、株主の交代を繰り返している。政府による監視や介入が一段と強まっている模様である。
アントは最新の公式情報で、ともに女性である楊小蕾氏と史美倫氏を社外取締役として招き入れ、株主代表の取締役を現在の3人から2人とすると発表した。
史氏は72歳で、中国証券監督会の元副会長であり、現在は香港証券取引所の役員会会長である。
弁護士である楊氏は、以前に中信グループ配下の弁護士事務所に勤め、現在は恒豊銀行の社外取締役である。
今回の人事で、アントの取締役8人のうち、50%が社外出身、また女性の比率が1/3以上となる。
また、アリババ出身のエリック・ジン氏が引き続き社長兼最高経営責任者を務める。
ジン氏は今年50歳で、1994年に上海交通大学を卒業、2005年にアメリカ・ミネソタ大学でEMBAを修了し、2007年にアリババに入社した。2018年4月よりアリババグループのパートナーとして、アントの社長兼最高経営責任者に就任した。
ジン氏は6月1日、「アントは今、発足当初とはまるで違った状態に置かれており、時代を見据えて一段と社会全体に溶け込むように努め、技術革新、脱炭素化、共同富裕などといった国の取り組みを実践し、それに貢献していく役割を果たしていく」と述べている。
決算情報によると、2022年度のアリババの収益額のうちアントグループの割合が240億元(約4678億元)となっている。
(中国経済新聞)