中国の小中学校で、料理や家電の使用を教える「労働科」の授業が導入されることになった。これにより、小型家電やキッチン家電、掃除器について、向こう1年間で250億-300億元(約5827億円)の需要が生まれると見られている。
中国の教育省が発表した「義務教育の労働科指導要領」によると、小中学校で今年9月から、料理や家電の使用などを教える「労働科」が加わるという。
5歳の女の子が放課後、ミキサーでオレンジジュースを絞り、冷蔵庫から卵やパンを取り出してオーブンで加熱する。親からすれば喜ぶ一方、子供だけで機械を動かすことが心配になってしまう。
また、家電業界では、子供向けの家電製品をデザインする必要性について、議論を呼んでいる。
ハイアールで生活家電部門のリーダーを務める張夕軍さんは、義務教育における「労働科」の導入について、「業界からすれば、子供たちのためにより便利でスピーディー、機能的なものを作る必要が生じる。利用場面に合わせて、安全でコンパクト、高機能で扱いやすく、手入れしやすいものが人気の品となるだろう」と話している。
調査会社の奥維雲網(AVC)によると、2022年1-4月の中国のキッチン用小型家電12品目(炊飯器、IHヒーター、圧力鍋、豆乳メーカー、フードプロセッサー、ミキサー、ジューサー、電気ポット、ホットプレート、電気蒸器、ヘルスポット、エアフライヤー)の小売販売額は170億元(約3302億円)で、前年同期を6.1%下回っており、家電業界からすれば新規の市場開拓が必要な状態である。
リサーチ会社のGfKによると、今回のカリキュラム導入により、向こう1年間で250億-300億元の需要が生まれ、2022年後半およびそれ以降はかなり期待できると見ている。
(中国経済新聞)