Tiktok、香港での上場目指す

2022/05/10 19:56

中国のIT業界は今、「字節跳動」(バイトダンス)が「抖音」(Tiktok)に社名変更したことで話題が持ち切りである。

香港の会社登録サイトによると、「字節跳動(香港)有限公司」が、2022年5月6日付で「抖音集団(香港)有限公司」に社名変更した。バイトダンスがTiktokを香港で上場させる、といった情報は2020年の段階で流れていた。

また、バイトダンスの他の子会社数社も「抖音」に名称変更している。「字節跳動有限公司」が「抖音有限公司」に、「北京字節跳動科技有限公司」が「北京抖音信息服務有限公司」となっている。

バイトダンスの超有名アプリ・Tiktokは目下、ユーザー数6億人以上を抱えており、これに比べて去年先駆けて香港上場を果たした「快手」のユーザー数はその半分程度である。快手が先ごろ発表した2021年の第四四半期および年間決算によると、第四四半期の1日平均ユーザー数は3.23億であった。

Tiktokは、2016年9月の立ち上げ当初はバイトダンスのわき役的な存在であったが、1年にわたる下積みの後で一気に普及拡大し、口コミもあいまって大人気となった。

バイトダンスは現在、ゲームやラーニング、通販などで急速に伸びているが、どの分野もライバルが立ちはだかる。それらを振り切るには、かなりの時間や大量の資源、エネルギーが必要だ。よって目下、上場やアクセス拡大を果たすことが強く求められる。

そのバイトダンスがTiktokを分離上場させたニュースで盛り上がる中、創業者である38歳の張一鳴氏が、世界の長者番付に忽然と姿を現したのである。

フォーブスが4月5日に発表した2022年世界長者番付を見ると、張氏は500億ドル(3333億元)で25位にランクしている。中国人としては、農夫山泉の鐘睒睒氏に次ぐ2位で、中国のIT業界ではトップである。

すでに現場から退いた張氏であるが、バイトダンスをFacebookやグーグル、マイクロソフトなど世界的な企業に拮抗するレベルに引き上げたのである。野心は並々ならぬものであった。

(中国経済新聞)