中国ネットゲーム会社、若き社長本人が本人をモデルに「メタバース挙式」をリリース

2022/10/17 19:30

開発会社中青宝(ZQGAME)の28歳社長李逸倫氏が、本人の結婚式をモデルにした「メタバース挙式」を打ち出したことで、ネット上注目を引き寄せた。

中青宝はネットゲームの開発や運営、リリースを手掛ける会社として比較的早期である2003年に設立され、中国初のA株(中国株)上場を果たした。李逸倫氏は父の後を継ぎ社長に就任した僅5か月である。当社は10月8日、「中国初、オンラインと現場でバーチャルファンタジーを描く」と銘打って、デジタル結婚式という新たな分野への進出を目指す「Metalove元囍」というAPPを発表した。

ユーザーは「Metalove元囍」にログインし、性別に応じて好みのイメージを選んで挙式会場に訪れ、「招待状」を手に入れれば「式次第」が閲覧でき、「クラッカー」、「花火」、「拍手」といった仕掛けも選べる。ただし、見学者の場合は受付を済ませてから会場に入り、座席を選ぶことになる。また、子供は1-9999元の範囲で金貨をチャージし、ナツメ(子供を早く授かるとの意)、指輪、祝儀、キューピッドなどを新郎新婦に送ることができる。さらに見学者は、受付やプレゼントの贈呈で抽選に参加できる。中青宝(ZQGAME)はまた、メタバース挙式会場のステージ右側のスクリーンに、「醸酒大師」(BREWMASTER)など自社のゲーム数種類を繰り返し放映するなど、「PR」にも力を入れている。

また「Metalove元囍」APPはタイムスリップという機能を通じ、会場に足を運べない人も新郎新婦へ祝福したり言葉を交わしたりできる。

結婚式や大学の創立記念式典などでもメタバースの導入が進められているが、今のところ先導役となる会社は現れていない。現在、基本的技術と利用場面の二つに関心が寄せられている。

中青宝は、メタバースへの参入を発表した去年、株価がわずか2か月で382.68%も上昇した。この立役者は1994年7月生まれ、28歳の若き李社長であると見られる。アメリカ・カリフォルニア大学アーバイン校経営学部を卒業し、中青宝で2017年12月から2020年1月まで最高執行責任者を務め、2020年1月に総経理に就任、2020年5月からは社長にも就任している。

中青宝は、2021年9月6日にメタバースゲーム「醸酒大師」(BREWMASTER)を制作すると発表したところ、株価はその翌日にストップ高となり、同年11月11日には42.63元/株(869元/株)に達した。わずか2か月で382.68%の増額であり、時価は22億元(448億円)から112億元(2282億円)に跳ね上がったが、2022年10月の国慶節連休前に発表した2022年上半期の決算によると、売上高は前年同期比2.15%減の1.61億元(32.8億円)で、親会社帰属の利益は同0.71%増えて1163万元(2.37億円)、諸経費を除いた純利益は18.77%減って716万元(1.46億円)であった。売上減の理由について、モバイルゲームが伸びなかったためと報告されている。

期待薄になるか期待大になるか。世界のメタバース市場は未だまだ未知数であるところ、中青宝が世界に先立ってメタバースビジネスの寵児となるかは今後の業績と密接に関わってくるともみられる。

(中国経済新聞)

The post 中国ネットゲーム会社、若き社長本人が本人をモデルに「メタバース挙式」をリリース first appeared on 中国経済新聞.