中国、テレビの価格下落続く

2022/10/23 11:45

75インチサイズが3220元(約67000円)、85インチが5829元(約12万円)、98インチが14999元(約31万円)……テレビの価格が下がり続けている中国では、100インチ近いサイズのものがハイスペックのiPhone並みの売値になっていることも珍しくない。

中国のテレビメーカーによると、現在のテレビの市場価格はおしなべて1年ほど安値が続いているという。この理由は、競争が激化していること、また川上側で液晶の価格が下がって製造コストが低減し、メーカーによる値引き合戦が展開しているためである。

中国では、液晶テレビの家庭への普及が急速に進んだことで、テレビの市場規模は2009年から急成長し、2016年までその状態が続いた。統計データによると、市場規模は2009年に3450万台、2016年には5089万台となっている。その後2017年~2019年はほぼ4800万台前後で安定推移していたが、2020年には販売台数が前年より9%減って4450万台となった。2021年も前年比14%マイナスで4000万台を割り込み3835万台となった。関係団体の予測では、今年も国内の販売台数は前年比二桁減で3400万台にも満たず、2009年のレベルに逆戻りすると見ている。

その一方で生産量はさほど落ちず、中国国家統計局によると2021年の生産台数は1.85億台で、2020年の1.96億台よりは減ったが販売台数のピークだった2016年の1.75億台よりも1000万台多い。

これについて業界関係者は、「業界からすれば、規模があれば製造コストの低減につながるので、市場競争が激化する中で力のあるメーカーも規模を頼りにコスト削減に努めており、これで競争力をつけるといったパターンで、売値の低下を招いている」と分析している。

(中国経済新聞)

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