中国で石炭による水素の製造技術が進展

2022/05/9 13:37

中海石油錬化は、広東省恵州市にある中国初のE-Gas技術による石炭由来水素の製造装置が、270日間連続で安定稼働を果たしたと発表した。この間の水素生産量は5.5万トンを超え、中国での石炭による水素の製造技術が業界の先端をゆくものになっている。

財新網報によると、石炭由来の水素は、石炭を還元剤、水蒸気を酸化剤とし、高温で炭素分を一酸化炭素や水素を主成分とする合成ガスに変換し、浄化や一酸化碳の変換、高純度化などを経て、水素と合成ガスを生成するものである。中海錬化所で作られた水素は、クリーンな燃料や化学品を製造するための製油工程で使われる。

恵州の工場で石炭由来水素の製造を担当している周建欣サブリーダーによると、水素製造装置・E-Gasは現在、世界で2台のみが稼働中という。この装置は炭素の歩留まりや熱の利用効率がよく、酸素の消費が少ないという。従来の天然ガスによる製造工程と比べるとコストが20%~25%削減されるほか、窒素酸化物や亜硫酸ガス、排水などがいずれも排出基準以下に抑えられ、業界最先端のレベルとのことである。

中海錬化は、4年に及ぶ研究の末、石炭系水素装置の長期間稼働を果たせるオペレーション経験 をまとめつつあり、E-Gasの世界での稼働に向けて「中国式ソリューション」をもたらし、今や国外への普及を進めている。

(中国経済新聞)