美的、余裕のある中で大規模なリストラを敢行

2022/05/26 11:45

中国の家電大手「美的」が一段とリストラを強化している。解雇されたあるベテラン社員がBBSに残した「今でも残念。あきらめきれない。言わなくては」とのメッセージが共感を呼んでおり、妻が出産した時も骨折した時も普通に出勤したのに、突如「改善対象」との通知を受けた、というのである。

美的の方洪波社長はこれに対して「悲しい。そして大変申し訳ない」と返答した。方社長は、「今はコロナの2020年よりもっと苦しい状態であり、経営陣とともに 1-2 か月も話し合いを繰り返し、もがきぬいた上での苦渋の選択だった」と表明している。

リストラによる縮小策は、競争時代にある家電業界でさらなる利益を出すためのものである。美的は2021年末現在、在職社員数が16.58万人で、前年度の14.92万人から1割ほど増えている。2021年の社員への賃金総額は321億元で、1人当たりおよそ19.36万元(約368万円)である。

すなわち、社員数を10%削減すれば人件費が32億元(約609億円)浮くことになり、この金額は2021年の利益額である259億元(約4932億円)の12%強である。すなわち、余裕はあるけれど人員を削減すればたちまち利益が膨らむと、いうことである。

(中国経済新聞)